創作と羊のグッズ製作記録

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【自己流】ペンツールを少しいじればできる、ラバスト風イラストデータの作成方法

 

閲覧頂きありがとうございます、北城です。

以前に製作した、ラバスト風のイラストデータの作成を紹介していきます。

 

 

いつも通り目次付きなので必要に応じてジャンプして下さい。

 

 

始めに

 

ラバスト風のイラストを見かけることも多いので何番煎じになるかと思いますが、今回ラバスト風のアクキーを製作した際に、こうやったら短時間でたくさん描けたという忘備録として記事にしました。

人によって様々だと思うので、こんな方法もあるよと参考程度になれば幸いです。

 

作業環境はCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ですが、ペンツールをカスタマイズできれば他のイラストソフトでもできそうです。検証でGIMPとフォトショでも試したらできました。

 

用意するもの

 

  • イラストソフト(自分が使いやすいもので)
  • ペンタブ、マウスなど描くツール(マウスでも可能ですが時間はかかります)
  • PCやタブレットなどの編集環境

 

後は必要に応じて作業用BGMや環境、グッズにするなら製作会社さんのテンプレート等ですが、上記3つがあれば大丈夫なのでカットです。

 

ペンの設定

 

※アイコン等の表示がクリスタアップデート前に作成したので今のアイコン表示と異なります。

 

まず最初に、ラバスト風に描くためのペンの設定を実施します。

 

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ツールの複製を選択して作成します

 

デフォルトを少しいじれば出来上がるので、どれかしらのペンツールを複製します。ペンの名前に関しては自分が分かりやすいもので構いません。

 

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筆圧とアンチエイリアス設定を変えます

 

先程複製したペンを選択し、詳細設定を以下のように変えていきます。

 

 

線を均一にするとより一層ラバストっぽく見えるので、筆圧設定は解除します。また、アンチエイリアス*1は今回なしにしていますが、web上のみで発表する場合はありでも大丈夫です。グッズとして製作する場合はなしの方が後々の処理などでかなり楽になります。

 

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筆圧とアンチエイリアス有無の比較

 

アンチエイリアスと筆圧有無の比較はこちらになります。やや分かりづらいかもしれませんが、アンチエイリアス有無でギザギザ感が、筆圧有無で強弱具合が変わります。

ペンの設定はここまでとなります。

 

下書き〜ペン入れ

 

事前のペン設定ができましたらイラストを描いていきます。

私は基本下書きをアナログ、ペン入れからデジタルになります。なのでアナログで描いた下書きを取り込み、テンプレートにサイズ調整を行います。

 

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アナログからは基本サイズ調整が必要です

 

調整ができたらペン入れに入ります。ここで先程カスタマイズしたペンの登場です。

レイヤーを追加し、下書きを確認しながらペン入れしていきます。線の太さ(pixel)については後ほど紹介しますが、今回は5pixelで設定しました。

 

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カスタマイズペンで描きました

 

ペン入れはこんな感じです。アンチエイリアスをなしにしていることからギザギザ感が目立ちますが、グッズ製作用と最終的に線画は削除するので気にしなくてよいです。

線画は基本的にデフォルメを描く時と一緒になります。影を塗らない色塗りになりますので、普通のデフォルメよりもう少しざっくりしてても良さそうです。私の場合は瞳のところを少し描き変えました。

 

色塗り

 

ペン入れまで完了したら色塗りです。影を塗らない単色になりますので、色塗りレイヤーは1枚で充分です。分けてもいいかなとは思いますが、そこは人の好みによります。

 

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色を塗りました

 

色塗りレイヤーを追加しましたら、バケツでがしがし塗っていきます。今回は帽子の部分などを少しだけ奥行きがあるように色塗りしました。本来のラバストではできないことですが、ラバスト風なら奥行きとかを多少表現しても良さげです。

 

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線画を非表示した場合

 

線画の表示のチェックを外すと線画の上にも色が塗られている状態(設定で塗る範囲の領域を拡大しているため)ですが、この後の調整で線画の上にある色は消しますので今は気にしなくてよいです。

 

色塗りはここまでになります。

 

イラストの調整

 

色塗りが終わりましたら、残るは調整だけになります。

調整では以下のことを実施します。

 

※ここからの内容は個人的に調整をかけています。問題ない人は1のみで完成になります。

 

  1. 線画の非表示と線画上の色削除
  2. 明るさ調整
  3. 細かい微調整

 

1.線画の非表示と線画上の色削除

 

まずは線画の非表示です。これは表示(ソフトに様々かと思いますがクリスタでは目のアイコン)のところのチェックを外すだけでできます

 

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非表示の方法

 

次に線画上の色削除です。

削除の前に色の塗られているレイヤーが分かれている場合、統合して1枚のレイヤーにします。元から1枚のレイヤーにしかなっていない場合は、この工程は不要になります。 

統合完了後、線画レイヤーを選びサムネイルの上でctrlを押しながら左クリックを押しますと、描画されているところが選択範囲になります

 

※クリスタとフォトショではctrlですが、GIMPの場合はaltになりますので少し操作に違いがあります。

 

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線画の部分だけが選択されている状態です

 

線画レイヤーのところを選択範囲しましたら色塗りレイヤーを選び、消去を押して実行します。上手くいっていれば、色塗りレイヤーの選択範囲の分だけ消えていることが確認できます

 

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上手くいった場合はこうなります

 

消去できたら選択を解除することで完成です。いい感じにラバスト風なイラストになっているかと思います。もしラバスト風になっているか確認したい場合は、背景に黒のレイヤーを追加すると分かりやすくなるかと思います。

 

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黒背景だと分かりやすいです

 

2.明るさ調整

 

※ここからは任意になります。

 

前項目の線画非表示で基本的には終わりになりますが、製作する会社さんによってはこのまま入稿するとやや暗めの色合いや明るめの色合いで出力されることがあります。もしかしたら黒いアクリル特有かもしれません。できるだけ理想の色に使づけたいと考える方もいらっしゃると思いますので、明るさ調整が必要となります。

 

明るさ調整はクリスタの場合、「編集」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」から調整することができます。今回参考に載せているイラストでMYDOOさんへ注文していますが、MYDOOさんでは黒アクキーですと暗めの色合いで出力されることがありましたので明るめに調整をかけています。

調整もそれほど強めにかけるわけではなく、少しで大丈夫です。この時は5つ製作して明るさ+8~+10で調整しましたが、+10辺りでも良い感じに仕上がります。

 

ちなみにYousei印刷さんでは明るさましましになりましたので、明るさをマイナス調整かけた方が良さそうでした。配色が明るいキャラクターだと結構な勢いで色がすっ飛びます。

 

3.細かい微調整

 

後は細かい微調整です。

線画を削除した後に消し忘れがあったり上手く消えていない時は自分で調整します。消しゴムで削ることもあるので、アンチエイリアスを無しにした消しゴムを作成して調整するとサクサクできます

この時は瞳のところや髪の先端部分を修正しました。

 

これらが全て終わり、後は注文して現物が届くのを待ちます。

今回のイラストデータを元にした完成品はこちらの記事にあります。

 

ktsrlog.hatenablog.com

 

おまけ:線の太さについて

 

おまけになりますが、線画のペン設定にて太さを変えるとどんな感じになるのか、同じキャラクターで線の太さを変えたラバスト風アクキーがありますので載せておきます。

 

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線の太さで印象も変わってきます

 

左から3.05.07.0(全て単位はpixel)になります。 アクキーのサイズも一番左だけ異なりますが、大体こんな感じです。線の太さだけでも結構印象が異なりますね。

個人的には今回製作した5.0が一番ラバスト風になると思っています。7.0だとちょっと太すぎて細かいところが描きづらくなり、3.0だと細すぎてあまりラバスト風に見えない印象を受けました

 

その他MYDOOさんのTwitterの呟きにも参考にしていますので、こちらも再掲載しておきます。

 

 

終わりに

 

色々なアクリルグッズを製作していく中で、ラバスト風も挑戦していましたがうまく行かないことだらけでした。調べて解決策を探すこともありましたが、自分で試して確認するを繰り返し、納得いく方法探すことにシフトしていました。

その中でやっと見つけたので、今回記事にしました。

 

ラバスト風は調べていると結構作っていらっしゃる方もいるので、自分だけの財産にせず、誰かの役に立てたらと載せることにしました。参考になればこれ幸いです。

 

それでは。

*1:モニタ上から描いたものを見た場合にギザギザ感をなくす処理のこと