アクリルグッズ製作で明るさ調整は必要か?
閲覧頂きありがとうございます、北城です。
季節も大分寒くなってきました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回はアクリルグッズ製作時に気をつけていることのお話です。
目次付きです。必要に応じてジャンプして下さい。
始めに
これまでブログでアクリルグッズを製作時、製作会社さんにもよりけりですが、イラストデータを提出するとPCで見た時より明るさがましましになったり、色がすっ飛んだりと想定外のことがよく起きています。一度製作したことのある会社さんなら次回から気をつけることができるのですが、初めてだとそうはいきません。
私も結構これに関しては今でも悩んでおり、失敗することもあります。他者の作品を見ると綺麗に印刷されており、どうしたら綺麗な印刷でアクリルグッズができるのかと。
そこで現在は、元のイラストデータから明るさ調整をするようにしています。製作会社さんの印刷設定もありますが、幾分か明るさ調整をしてから綺麗に印刷がされるようになりました。
今回は明るさ調整をした結果どう変わっているか、実物を載せながら説明していきます。
説明の前の事前知識
本題に入る前に、あらかじめ必要な知識をここで説明します。
説明不要な方は飛ばして頂いて構いません。
内容はこの2つです。
- 印刷方式はCMYK印刷
- 色味と粒子感
印刷はCMYK印刷
まずは1つ目です。
色の表現にはRGBとCMYKの2つがあります。
RGBはレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の頭文字を取った色の表現、CMYKはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー・プレート(K)の頭文字を取った色の表現になります。
違いなどについては、Wikipedia大先生に詳しく記載されています。
PCなどの液晶モニタから見えている色の表現はRGB、紙への印刷などで表現されるのはCMYKへとなるので、液晶モニタで色が綺麗に見えても印刷となると色合いが変わるのは、この部分になります。
色味と粒子感
2つ目です。
先程印刷方式に関して記載しましたが、次は出力される色の関係です。
このことに関しては製作会社さんでも教えて下さっているところもあります。MYDOOさんの広報担当もものすけくんが回答して下さったこともありました。
(こちらの呟きは統合前なのでwaoriさんの時代です)
ご紹介してもらってるにゃ~!!嬉しいにゃ😊💖WAORIの透明アクリルはパステル系の薄い色味だと結構粒子感強めに出ちゃう印象があるにゃ…!オレサマはサンプル作るとき、ピンクは紫寄りじゃなくて赤寄りのピンク使うとかで避けてるにゃ!あと薄めの色使いたい時は白アクリルのご利用がおすすめにゃ😼 pic.twitter.com/AmxdQUicMD
— もものすけ◆MYDOO広報📣 (@mydoo_momo) January 30, 2019
透明なアクリルの印刷は基本裏打ちと言うアクリル越しでイラストが見える印刷になりますので、どうしてもパステル系の淡色は粒子感が出てしまいます。カラーパレットで言うと、上から右上辺りの色になります。
なのでこの辺りの色は透明アクリルでは避けるか、白アクリルなどを使用することを推奨します。白アクリルで製作したことありますが、淡色でも綺麗に印刷されていました。
事前知識はここまでとなります。
本題の明るさ調整
少し事前知識が長くなりましたが、ここから本題です。
今回は自創作のアクリルフィギュアで、そこそこな数を製作したキャラクターがいるのでそちらで比較していきます。印刷会社さんはMYDOOさん(一部waoriさん)になります。
1人目(配色暗めの場合)
まず1人目です。髪の色が青紫、瞳が赤なので全体的に暗めの配色になります。
明るさ調整は画像にも記載していますが、左から明るさ調整なし、なし、なし(ドット風のため色の数を減らしています)、-15、-12になります。
明るさ調整をした頃から製作会社さんでも設定が変わったこともありますが、調整なしと-15では色の出具合が大幅に違います。顕著に出ているのは肌と髪辺りでしょうか。配色も暗めですが、明るさ調整で更に暗くしてから印刷が綺麗に出るようになりました。
色は-15が綺麗に出ていますが、髪の色が濃いので-12〜-14辺りが良いのかもしれません。
提出したイラストデータです。右2つが調整しているので少し暗めになっています。
イラストデータと実際のアクスタの比較です。同じように画像を並べると、-12(一番右)がイラストデータと現物で差異があまりありません。これぐらいの方が良さそうです。
2人目(配色が明るめの場合)
2人目です。こちらはほぼMYDOOさんで製作しています。髪の色が明るい茶色なので比較的明るい配色になります。瞳が透かしているのもあるので少し分かり辛いかもしれません。
明るさ調整は左から調整なし、なし、-20、-16、-15となります。-20から-15に関してはあまり変わりがないかと思いますが、調整なしから-20では髪や瞳が大分異なっています。
色は-16辺りが綺麗に出ています。彼に関しては髪の色がよくすっ飛ぶことから明るさ調整を悩んでいました。-16辺りが丁度良いのかもしれません。
提出したイラストデータです。
イラストデータと実際のアクスタの比較です。イラストデータと現物で差異がほぼ無いのは-20(真ん中)になります。袴の紫がやや明るくなってしまうので、紫を利用する場合は気をつけた方が良いかもしれません。
おまけ
もう1人そこそこ製作していたキャラクターがいましたので比較画像を作りましたが、彼の場合はあまり差が無いと言うことでおまけとして載せておきます。
瞳の黄色系は明るさを落とした方が鮮やかに出ますが、黒系に関しては明るさを落とさなくてもそれなりに綺麗に出ます。この辺りはお好みになってくると思います。個人的には-13(右から二番目)が一番綺麗に出たかなと言う印象です。
終わりに
たまにアクリルグッズ関連で検索をかけて見ていると、色合いが失敗したと言う呟きを見かけたことがあったので、同じような境遇者がいるのだなと思いこの記事を作ることにしました。
アクリルグッズの印刷に関して、こちらでできるのは明るさなどの調整だけであり残りは製作会社さんの印刷機のコンディションになります。いい時もあれば悪い時もある、同じイラストデータで製作しても前回と今回で色味が異なるなどは印刷機が関連しています。
こればかりはどうしようもできませんが、せめてこちらでできることは対応してイラストデータを提出すれば、よりよい作品に仕上がるのではないかと思っています。
冒頭でも記載していますが、私も未だに調整をミスして失敗することもあります。ですが試行錯誤を繰り返すことに苦痛は感じません。その積み重ねが今回の記事作成へと繋がったと思えています。
それでは。